今日はblog引っ越しをお休みして・・
突然ですが
こちらの封筒と便箋
平成18年に90代の男性の入居者さん(Iさん)から頂いたものです

頂いた、というより
「持っていなさい!」と無理矢理渡されたもの
うちの施設では、毎月お誕生会の日に
踊りだったりカラオケだったり・・
希望される入居者さんが様々な発表をして下さいます
平成18年6月のお誕生会の日
Iさんは人生最初で最後の演技をする!と、金色夜叉を演じたのです
演じるに当たって、おっしゃっていたのは
自分の寿命も残すところあと数年だろうから(成田の占い師にも言われた、と!)
何か一発やろうと思っているんだ、とのこと

Iさんは、ご自分でおっしゃっていた通り
この演技から2年後、大河ドラマで篤姫をやっていた年に天国へ旅立たれました
最後、救急車に同乗し、Iさんの意識が遠のく中でも
手を握り返して下さったことを昨日のことのように思います

これまでたくさんの方とのお別れがありましたが
Iさんとの別れは、自分でもどうしてなのかわからないくらい辛いものでした
亡くなられた日、帰宅して床にへたれこんで
えーんえーんと、子どもみたいに泣いてしまったんです
その時、けんしろうは
そっとそばについていてくれて
まるで全てをわかって慰めてくれてるようでした
けんしろうがいてくれて、本当に助かったなぁ

Iさんの人柄ですが、優しくて温かくて全てを受け入れてくれる心の広い方・・
とは、ちょっと違いまして^^
どちらかというと、何かかしら小言を言ってきたり
挨拶しても、突然無視をされ、その理由が「最近、態度が冷たい!」という
よくわからないものだったり(笑)
今になって思えば、私のことを本当の孫のように感じて下さっていたんだと思います
小言の中に、いつも人生の教訓だったり、愛情がたくさん詰まっていましたから

この金色夜叉の封筒と便箋を
なぜ、「持っていなさい!」と言われたのかというと
Iさんが発表された誕生会の日、私は仕事を休んでいたんです
Iさんは、誕生会に私が参加していないのを見て
翌日出勤してきた私に、「なんでいなかったんだ!」とご立腹・・
そして、怒りながらも発表の原稿をコピーしてくれたのが
この封筒と便箋という訳なのでした
Iさんが「人生最後の演技」と言っていた重みを
あの時の私はわかっていなかったんですよね・・
本当にこれが最後の演技だったんですもん
Iさんから貰ったこの封筒と便箋は
それからずっと、仕事に向き合う自分自身の教訓となり
私の宝物になりました

そして、今日
Iさんの最愛の奥様が亡くなられました・・
とてもとても愛情深い、ステキな奥様で
気がつけば、奥様もIさんが亡くなられた90代となっていました
Iさんは見る事ができなかったんですが
大切に育ててこられた、二人のお孫さんに赤ちゃんが誕生し
奥様はその幸せを見届けて旅立たれました
下のお孫さんの初めての赤ちゃんに会ったのは
2月に入っての出来事で、本当についこの間のことでした

少しずつ体力が落ちてきていたこと
病状があまり良くなかったこと
色々心配な様子はありましたが、つい最近一緒に雪をみたのに・・
オリンピックが始まったねって話していたのに・・
Iさんの時に教わったのに
別れはやっぱり突然でした
家内をちゃんと見てくれないと困る!と
Iさんに怒られちゃうかな..

でも、きっと今頃おふたりは
あーだこーだとお互いの話しを一方的に話しながら^^
6年ぶりの再会を喜んでいるのではないかな、と思います
6年前、まだ古いブラウン管TVだったIさん宅
画面が暗い状態でしか映らなくなっていたんです
Iさんが亡くなった後に、新しいTVが入り
その時、奥様が言った言葉が
「お父さんに、このTVで大好きだった篤姫をみせてあげたかった」
そんなお話もしているかな?
Iさんご夫婦に出逢えたこと、幸せに思います
たくさんのことを学ばせて下さり、本当に本当にありがとうございました
いつかまた、おふたりに会える日がきたら、聞いてみたいことがたくさんあります
今夜はおふたりの歩まれてきた日々を想いながら
奥様のご冥福をお祈りしたいと思います
*END*
写真は、青葉の森公園の梅でした^^
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by neri-ken46
| 2014-02-22 21:00